LA SPORTIVA OFFICIAL BLOG
マウンテンアクティビティに挑む女性の姿を通して、厳しくも美しい山、その自然に向き合う飾らない素顔をリアルに描くシリーズ。ラ・スポルティバのシューズが足元から安心感と高揚感をもたらし、女性のトライを後押しする。
今回挑戦するアクティビティはマウンテンランニング(トレイルランニング)。「プロディジオ 2」を履いて、マウンテンランニングは人生2度目となる、おつきみさんがトライする。
今回の挑戦をサポートしてくれるのは、トレイルランナーでラ・スポルティバのアンバサダーでもある山内菜摘さん。彼女のホームマウンテンでもある静岡県の満観峰(まんかんほう)を案内してもらい、山を走る魅力を山内さんに教わりながら、満観峰を堪能してみたいと思う。

山内さんのホームマウンテンのひとつでもある満観峰(まんかんほう)は静岡県静岡市と焼津市のあいだに位置する標高470mの低山だ。
山内さんおすすめの高草山から満観峰をつなぐコースは10㎞ほどで周回できるため、初心者でも走りやすいコンパクトなルート。トレイルも走りやすく整備されていて、森から抜ける箇所では駿河湾と富士山を眺めることができ、絶景を満喫しながらランニングが楽しめる。
ゴールはスイーツが楽しめるカフェ「カントリーオーブン」でご褒美スイーツを。

今回のマウンテンランニング(トレイルランニング)でおつきみさんの相棒となる一足は「プロディジオ 2」。
この春、「プロディジオ」がリニューアル。フィット感や履き心地にも磨きがかかっている。履き口は当たりをなくし、どんな足型にも合いやすいデザインに設計され、初心者からロングレースを走るランナーまで、幅広く使いやすいシューズだ。トレイルランナーの山内さんは練習の際に履いているという。

足首を捻りやすいというおつきみさん。アップダウンの多い山を走る場合、登山以上に捻挫する可能性も高くなる。そこで毎日のように走っている山内さんからアドバイス。
「捻挫の予防として、テーピングは効果的です。私が愛用しているニューハレのテーピングは足首用のものもあり、慣れてない人でも貼りやすくおすすめです」

さっそく山内さんが用意してくれた足首用テーピング2枚を使って、おつきみさんにテーピングの貼り方をレクチャーする。足首を直角に曲げた状態で、カカトを起点に両側のくるぶしに向かって引っ張ってから緩めて貼っていく。
2枚目のテープはカカトを包み込むように、カカトから甲に向かって貼る。アキレス腱からくるぶしに向かって包み込むように上から貼っていく。

最後に両手でテープの上から包み込み、熱を加えることで圧着し、剥がれにくくなる。足首のテーピングをすることでカカトの骨をサポートし、足首の横ブレを抑えてくれるので、捻挫の心配がある人は、予防としてのテーピングはおすすめだと山内さんが教えてくれた。

登山口までの道路を登り、これからマウンテンランニングスタート!
だけどその前に。ランニングではシューズのフィット感も大切。しっかりフィットさせておかないと、走りづらさや靴づれの原因にもなりかねない。そこで山内さんからシューズの履き方についてもレクチャーしてもらった。
「靴紐をつま先まで緩めてシューズを履いてから、カカトをしっかりフィットさせるように軽くトントンと落とします。そしてつま先から靴紐をしっかりと締めていきます」

「締め加減は好みで調節しましょう。足首は走っていて窮屈と感じない程度にしっかりしめて、ちょうちょ結びします。レースのときには解けないように、ちょうちょ結びの先端をもう一度結んで、余った紐はシューレースに挟み込んでいます」
これで足元の不安も解消。いざ、マウンテンランニング開始!

序盤は登り基調。出だしは快調だったものの、マウンテンランニングの経験がまだ2度目のおつきみさんにとって、斜度のある登り坂はちょっとキツいようす。そこで山内さんからアドバイス。
「走るのを止めずにがんばったほうがラクだけど、登りはそんなに無理してがんばらなくてもいいですよ! 歩いても大丈夫」
おつきみさんの気持ちがフッとラクになったのか、顔の緊張がほころび、少しペースダウン。マウンテンランニングは必ずしも登りも走らなきゃいけないという決まりはないので、まずは無理せず山を楽しんで走る気持ちが大切だ。

登山道は整備されていて走りやすく、暖かくなって花々の見頃も始まっていた。この日は可憐な野花や真っ白なツツジが登山道を彩り、つらい登り坂も目を楽しませてくれた。

ふたりで和やかにおしゃべりを楽しみながらランニング。この日ばかりは山内さんも競技のことを忘れておつきみさんと走ることを楽しんでいるよう。
マウンテンランニングは競技としてストイックに走る人から、風や自然の香りを感じながら自分のペースでゆっくり楽しむ人まで、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力のひとつだ。

長い登り坂をがんばって登り、駿河湾が見渡せる見晴らしのいいベンチで少し休憩。ランニングの際にはこまめな水分補給とカロリー摂取も忘れずに。
走りながら給水できるソフトフラスクやハイドレーションを使うのもおすすめだ。またカロリーがすばやく摂れるエナジージェルなどを活用するのもいいだろう。
ふたりはいっしょに走っているうちに打ち解けたのか、笑顔が絶えず休憩中もなんだか楽しそうだ。

前半戦、高草山までのラストスパート。エネルギー補給したからか、走り慣れてきたからなのか、おつきみさんはパワー溢れるいい表情になってきた。

そうしてひとつ目のピーク、高草山の山頂に到着!山頂標識周りの見晴らしはないが、少し外れたところからの景色は抜群だ。

山頂には「高草山大権現」を祀る祠があったので手を合わせてお参り。
「この先も無事に楽しく走りきれますように!」

高草山山頂で休憩し、次は第二峰目の満観峰を目指す。鞍掛峠までは一旦下り基調となるのでアウトソールのグリップ力が重要となってくる。

下る途中で満観峰を指す標識が目につき始める。まだ先は長いが目指す方向が間違っていないか再確認。
山を走っていると登山のときよりスピードが早くなるため看板も見落としやすい。道迷いに注意しよう。

山を走る技術として難しいのは登りよりも下り坂。木の根っ子に躓かないように、気を付けながら下っていくおつきみさん。
「下りはちょっと怖くて慎重になっちゃうからスピードが出せないなぁ」

そんなおつきみさんのようすを伺いながら、山内さんからのアドバイス。
「お腹に力を入れると下りやすいですよ。また、つま先を少しだけ外側に向けるような意識で足をちょこちょこ動かすとバランスを取りやすくなります。自分の身体がボールになったようなイメージで!」
山内さんのアドバイスをすぐさま実践してみるおつきみさん。
「本当だ! さっきよりもスタスタ下れるようになったかも!」

高草山を下りきると、満観峰へ登っていく登山道と、花沢の里へ下っていく登山道が交わる鞍掛峠に出る。私たちは満観峰を目指すので、これからまた登り基調の登山道が待っている。
下り坂で緊張した筋肉をほぐすようにストレッチしながら少し休憩し、この先に続く登り坂に備えよう。

鞍掛峠から満観峰の山頂までは残り2㎞。登り基調の2㎞はなかなか長さを感じさせるが、山内さんはもちろん、おつきみさんもまだまだ疲れを感じさせない、いい笑顔をしている。
おつきみさんは毎週登山をしていることと、2月にロードマラソンを完走した経験もあり、意外と体力があるのかも!?
とはいえ、満観峰のラストスパートは、心臓破りの急登が待っている。この急坂を走って登るのはさすがに大変そうだ。

「そんなときは“パワーウォーク”で登るのがいいですよ」
山内さんが教えてくれた。パワーウォークとは腿を手でプッシュしながら早歩きで登る方法だ。走って登るよりパワーウォークで登ったほうが早く、疲れないという。おつきみさんは初めてのマウンテンランニングのときにもパワーウォークを教わったというが、そのときには腰を痛めてしまったそう。

「パワーウォークは無理な体勢で行なうと、逆に身体に負担がかかってしまうこともあります。斜度がそこまで急でなかったりすると、腰が曲がりすぎてしまうのかも」
山内さん曰く、このテクニックは走れないほど斜度の強い急斜面に有効のようだ。
「たしかに、これぐらいの急斜面だと腰を痛めるような無理な姿勢にならないから、登るのがとってもラク!」
おつきみさんも、今回はうまくパワーウォークを取り入れられたようで、いい調子で登ってゆく。

杉林の森を抜けると視界が開け、再び下界の駿河湾を望むことができた。駿河湾を背景にラストスパート。山頂は目前だ!

最後まで走りきり、満観峰の山頂に到達!山頂標識の前で、可愛らしい手作りの手持ち看板も掲げて記念撮影。
本来なら真うしろに富士山が大きく見えるのだけど、この日は春霞がかっていて、うっすら見える程度。写真にはほとんど写っていないけれど、ふたりの目には、しっかり焼き付けられたようだ。

満観峰の山頂は広々とした芝生が広がり、とても気持ちがいい。山頂からは駿河湾や富士山、伊豆半島などが望め、見晴らしも抜群。
「最高に気持ちがいい場所だな~」
走りきってスッキリ晴れやかな笑顔で景色を眺めるおつきみさん。そんな充実したおつきみさんの姿を前に、案内役の山内さんもうれしそうだ。

やっぱり自分の愛するホームマウンテンを気に入ってもらえるとうれしいもの。初めての人を案内し、いっしょにランニングも楽しんで喜んでもらえればうれしさも倍増する。
また、だれかといっしょに走ることは、つらいときも楽しいときも分かち合うことができて、励ましながらがんばることができるのだ。

満観峰の山頂からもと来た道を戻り、鞍掛峠の分岐から花沢の里へ下りていく。杉林の森からだんだんと里山の景色へと変化してゆき、石垣が連なる花沢の里に降り立った。
花沢の里は30戸ほどの山村集落で、江戸時代からほとんど変わらない板張りの家造りと自然の景色が融合した景観が魅力的。国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されていて、昔ながらの美しい街並みを眺めながらのランも楽しい。

花沢の里の集落のなかに立ち並ぶカフェ「カントリーオーブン」。満観峰をランニングした帰りにはいつも立寄るという、山内さんお気に入りのカフェだ。
喫茶スペースではコーヒーやケーキがいただけるほか、静岡県にゆかりのある作家の作品が販売され、静岡県出身のトレイルランナーとして知られる望月将悟さんのコーナーも常設されていた。

飲み物はハンドドリップコーヒーや自家製ジュースなどを提供しており、スイーツはクリームブリュレやケーキなどがいただける。今回はビスコッティと甘夏のケーキ、クリームブリュレが少しずつ楽しめるケーキセットを、冷たいアイスコーヒーとともにいただいた。

「全部美味しいなあ~。疲れた身体に糖分が染みわたる~」
おつきみさんもご満悦のようす。大きく抜かれた窓辺からは色鮮やかな里山の景色が眺められ、美味しいスイーツといっしょに楽しめる、幸せな空間だ。建物の2階は書籍が置かれたブックスペースになっているため何時間いても飽き足りない。下山後にゆっくりと寛げる、癒しスポットなのだ。
住所:〒425-0001 静岡県焼津市花沢18
TEL:080-5139-3670
軽食営業時間:10:00~16:00(ラストオーダー15:30)
休業日:不定休

今回ホームマウンテンを案内し、マウンテンランニングの楽しさを教えてくれた山内さんと、山を走るテクニックや魅力を教わったおつきみさんに、今日1日の感想を聞いてみた。
ーー満観峰でマウンテンランニングを体験してみていかがでしたか?
おつきみさん「本当に楽しかったです。登り坂がつらいときもあったけど、山内さんに歩いてもいいよと言ってもらえて。気持ちがラクになりました」

――パワーウォークもスムーズにできていましたね。
おつきみさん「パワーウォークをやってみたのは今回2度目でしたが、無理な体勢じゃなかったので、すごくラクに登ることができました」
――下りはどうでした?
おつきみさん「最初は木の根っ子に引っかかるかもしれないと思うと怖くてスムーズに足が出せなかったのですが、山内さんからのアドバイスでだいぶスピーディに下れるようになったと思います」

山内さん「おつきみさんは普段登山もしているから、登りはしっかりとした足取りで登れていたし、下りもすぐに自分の身体を操ってスピードに乗れているなと感じていました」
――「プロディジオ 2」の履き心地はいかがでしたか?
おつきみさん「今回初めてマウンテンランニングシューズを履いたのですが、履き心地がふわふわで、おどろきました」

――前回、初めてマウンテンランニングをしたとおっしゃっていましたが、そのときはなにを履いていたのですか?
おつきみさん「ロード用のランニングシューズです。だけどその靴はソールが堅いせいか突き上げ感があり凹凸も拾いやすく、足裏が痛くなってしまって……」

おつきみさん「でもこのシューズはクッション性がしっかりあって1日履いて走っていても足裏の痛みはありませんでした。しっかり脚の筋肉を使って身体を支えながら走れたという実感です」

おつきみさん「また、トレッキング用のローカットシューズと比較するとつま先が柔らかく、よく曲がるので足が自由に動かせる印象でした」
山内さん「たしかに登山靴と比べると自由ですよね。以前雪山用の登山靴を履いたときに足がガチガチに固められる履き心地におどろきました。これで山を歩けるなんて、登山する人は凄いなぁと感心してしまった記憶があります(笑)」
――走る人にとっては、足が自由にならない靴なんて考えられないですよね(笑)
おつきみさん「あと、登山靴と比べると靴がすごく軽くて足上げがしやすかったです!」

おつきみさん「つま先も幅広なつくりになっているところも良かったです。私が足幅が広めなので、靴によっては当たって痛くなることもありますが、この靴は当たりや痛みなどは全くなかったので、私の足型に合っているのだと思います」

――グリップ力はいかがでした?
おつきみさん「下り坂などでもしっかりグリップしてくれていました。走りながら滑りにくさの信頼感が少しずつ高まってきて、下りでもスピードに乗れるようになってきたのはグリップ力の信頼度によるものかもしれません」
――靴に対する信頼感は大切ですよね。
山内さん「そうですね。プロディジオ 2は癖がないので、初心者からレースを走るランナーまで、だれもが使えて、信頼のおける靴だと感じています」

アジア選手権日本代表のアスリートから、マウンテンランニング初心者まで、幅広いユーザーの走りを支えることができるのが「プロディジオ 2」の魅力。
“山を走る”という行為はシンプルなぶん、靴の良し悪しが走ることの楽しさやパフォーマンスに大きく影響するともいえる。充実した走りを楽しむならば、自分の足型や使用用途に合った靴を選ぶことはとても重要。
そのうえでさまざまなランナーの活動を支える「プロディジオ 2」は、山を走る一歩を後押ししてくれる一足といえそうだ。

歩行時間:約3時間
総距離:約8.5㎞
車の場合は東名焼津ICから約10分。新東名藤枝岡部ICから約20分。花沢の里 臨時駐車場、あるいは花沢の里観光駐車場に駐車。どちらも無料。バスの場合は焼津駅から焼津循環線「さつき」または「ゆりかもめ」に乗車し、高草山石脇入口か日本坂PAで下車、徒歩約30分。焼津駅でレンタサイクルの利用もできる。
原稿:阿部 静
撮影:宇佐美 博之

職場の先輩に勧められて、2022年より登山を始める。当初は富士山に登ることが目標だったが、さまざまな山に登るうちに山好きに。2025年より雪山登山も始め、北アルプスの夏山もデビュー。2026年はトレイルランニングのレースに初挑戦。フルマラソン完走記録も保持。好きな山は富士山で、今年の夏は2回登る予定。InstagramやYouTubeなど、登山系インフルエンサーとして活動中。

静岡県出身、在住。以前はトランポリン競技を行なっていたが、マラソンを始めったことをきっかけに2019年ごろよりマウンテンランニングを開始。信越五岳トレイルランニングレースでは優勝記録を持ち、2024年のアジア太平洋選手権大会では日本代表として出場。粟ヶ岳や満観峰など静岡の低山がホームマウンテンで、よく走りに来ている。ラ・スポルティバのサポートアスリート。

編集者、ライター、エッセイスト。登山やアウトドア媒体を中心に編集・執筆活動を行なう。プライベートでは登山や沢登り、渓流釣り、バックカントリースキー、アイスクライミング、魚突き、シーカヤック、アドベンチャーレースなど、あらゆる外遊びを楽しんでいる。ライフワークは狩猟採集にまつわる取材活動と自身の暮らしや旅のなかでの実践。登山雑誌『PEAKS』にて「狩猟採集食道楽あべちゃん」を連載中。著書に『雪の家』(クリーク・アンド・リバー社)がある