2種類のソールコンパウンド、2種類の起毛レザーをまとった 〈TX GUIDE LEATHER 〉
RECOMMEND ITEM : TX GUIDE LEATHER
APPROACH
- はじめに
- 「レザーバージョン」と言うだけでは伝わらない足入れ感の大きな違い
- 山岳系エキスパートに向けて設計されたGUIDEシリーズの新開発ソール
- 「スエード」と「ヌバック」との特性を使い分けた”LEATHER”アッパー
- “LEATHER”だけではない〈TX GUIDE〉との違い
- おわりに
はじめに
まさかこんなに長く新型コロナの影響が続くと思いませんでしたが、首都圏や関西などには緊急事態宣言が発令され、ここ福島県でも高い病床使用率が続いている状況で、なかなか先の見通しが立たない2021の春を迎えています。このブログを執筆している岳温泉(だけおんせん)のソメイヨシノも葉桜になり、今は八重桜が満開を迎えています。前回のブログの冒頭に掲載した雪の安達太良山も現在はほとんど雪が溶け、5月16日の山開きをもって、本格的な登山シーズン到来!・・となるところなのですが、経済活動と蔓延防止の双方を成り立たせることが難しい現状の中、自由に活動できる日が来ることを見据えて様々な準備をしているところです。
福島県の観光周遊事業として丘と山製作所がその造成を担当しているロングトレイル「磐梯・吾妻・安達太良ボルケーノトレイル」の調査・検討作業も着々と推進していています。今年はその拠点にもなるトレイルセンターを安達太良山麓の岳温泉内に開設する予定で、建築の設計にも取り掛かっています。トレイルセンターではLA SPORTIVAのシューズなどを販売したり、試し履きやイベントなども行っていく予定で2021年秋前にカフェなどを併設してオープンする予定です。岳温泉周辺の森でもトレイルランニングが楽しめるように、荒れたトレイルの整備も本格的に始動しています。
「レザーバージョン」と言うだけでは伝わらない足入れ感の大きな違い
LASPORTIVAの製品名に「TX=トラバースX」とつけば・・それはアプローチシューズ。今回ご紹介する〈TX GUIDE LEATHER〉は、〈TX 5 GTX®〉〈TX GUIDE〉に続き、今回で3度目の「アプローチ」カテゴリーのシューズです。製品名から”LEATHER”を除いた〈TX GUIDE〉は既に紹介済みなので、単にレザーを使用したマイナーチェンジ商品であれば、ここに取り上げる必要はないのですが、単純な見た目と素材の違いではないようなので〈TX GUIDE〉との違いも織り交ぜながら解説していきたいと思います。
重複する内容も多々あるので全てを細かく読む必要はありませんが、まだ〈TX GUIDE〉のブログ記事をご覧になられていないようでしたら、こちらよりザッと〈TX GUIDE〉の記事にも目を通して頂ければと思います。アプローチシューズの中でも「トレイルランニングシューズ」の要素も取り入れて開発された軽量でしなやかな履き心地が特徴です。アウトソールも2種類のVibram®素材を組み合わせて成形されていて、TXシリーズの中でも最もテクニカルな製品です。
そして、2021シーズンの新商品〈TX GUIDE LEATHER〉。LA SPORTIVAもこのシューズを「〈TX GUIDE〉のレザーバージョン」としながらも、設計者自らのコメントに「アッパー部分に関しては全く新しい靴」とあります。アウトソール、ミッドソールのシャーシ部分の構造はそのまま流用しながら、新設計のボディを載せ替えたという概念です。足入れしてみれば分かりますが、シューズ内の広さ、そして歩いた時の重心の高さも明らかに違い、「全く新しい」の意味が理解できます。
重量は〈TX GUIDE〉に比べ〈TX GUIDE LEATHER〉が約40g(1/2ペア)重くはなっていますが、その分各エリアの耐久性とサポート性が向上し、ある意味尖った製品であった〈TX GUIDE〉を丸めてより広いユーザー層、そして用途に使用できるシューズとしてリリースされました。そして、足入れ感を大きく向上させているのは、紛れもなく「LEATHER」のおかげ。しかも特性が違う「ヌバック」と「スエード」の2種類を適材適所に使い分けて設計されているのです。では以下の章にて、その詳細をお伝えしていきます。
山岳系エキスパートに向けて設計されたGUIDEシリーズの新開発ソール
まずは、ソールの構成から見ていきましょう。これは〈TX GUIDE〉と共通のプラットフォームになります。
- (1)カカトから爪先まで足裏全体をカバーするクッション性が高いEVA素材のミッドソール
- (2)土踏まずから前足部を中心にカバーする安定性をもたらすEVA素材のミッドソール
- (3)ねじれ防止と路面からの突き上げを防ぐTPU素材のプレート(シャンク)
- (4)Vibram®ソールを使ったアウトソール
(1)と(2)は同じEVA素材ですが、それぞれの担う役割に応じて硬さを変えています。特に(1)はカカトにかかる衝撃吸収をおこなうためのクッション性を、(2)は着地時に生じる前足部のブレを防ぐスタビライザーとして、安定性を優先した硬度に調整されて成形されています。
(3)は、TPU(熱可塑性ポリウレタン)のロックプレート。TPUはスマートフォンの保護ケースなどにもよく使われている樹脂素材で、衝撃を吸収するための適度な柔軟性があります。薄くても簡単に破損しない強度があるので、岩や根などの凹凸による突き上げから足を保護してくれると同時に、前足部の過度なねじれを抑制してくれます。また、クライミングなどの登攀時には、前足部にかけた荷重をそのプレートを通して爪先に伝える役割も果たし、爪先で岩に乗ったときのエッジング性能を引き上げる役割も担っています。
(4)は、〈TX GUIDE〉から新たに導入されたアウトソールです。2種類の異なるVibram®ソールが1枚に成形された「ダブルコンパウンドソール」で、前足部から爪先(=黒色部分)には「Vibram® IDROGRIP(ビブラム・イドログリップ)」、土踏まずからカカト(=赤色部分)には「Vibram® MEGAGRIP(ビブラム・メガグリップ)」が採用されています。「メガグリップ」は以前のブログで紹介したTX 5 GTX®などにも採用されている素材で、特に濡れた路面などでのグリップ性を発揮しながら耐久性も高いビブラム社の高機能コンパウンドです。
一方、前足部から爪先までのエリアに使われている「Vibram® IDROGRIP」は、メガグリップと共にビブラム社が提供するグリップ力重視系の2大コンパウンドの内の1つ。「イドログリップ」は特に水中や濡れた岩など、特に滑りやすいサーフェイスに対してのグリップ性能が秀逸。フライフィッシングや沢用のシューズなど、水中で使用する靴底にも採用されている素材で、“水”に対してパフォーマンスを発揮するコンパウンドの配合になっています。
製品名の通り、山岳ガイドやレンジャーなど、マウンテンフィールドを中心に活動する人たちをターゲットとして開発されたTX GUIDEシリーズ。のぼり坂や登攀時にグリップ性能が必要な前足部にはグリップ性能が高い「Vibram® IDROGRIP」。くだり坂でのブレーキングと耐摩耗性を必要とするヒール部分には「Vibram® MEGAGRIP」を採用し、濡れた路面に強い2種類のコンパウンドを適材適所で使い分けることで、幅広いシチュエーションに適応しなければならない山岳系エキスパートのニーズに応えています。
その他、ソールに関しての特徴をいくつかご紹介します。ひとつ目は岩場での立ち込みに優れたグリップ力を発揮する「CLIMBING ZONE」。親指側の爪先から拇指球(ぼしきゅう)にかけてのフラットな部分がそれにあたります。
続いてLA SPORTIVAのシューズと言えばというくらい多くのシューズに搭載されている「IMPACT BRAKE SYSTEM」。Vibram®社とスポルティバが共同開発したラグ(アウトソールの凹凸)の形状と配列で、地面を捉えて蹴り出すトラクション性能と着地の際の衝撃吸収を、アウトソールのラグパターンによって同時に機能させています。
最後に「TRAIL BITE HELL」。そのまま訳せば「地面に食いつくカカト」。これもLA SPORTIVAの他のシューズにも採用されている仕組みですが、ヒール部と土踏まずの境界部分のラグをかぎ爪型に張り出させることにより、くだり坂で地面に食い込むスパイクの役割を果たしグリップ性を向上させます。
「スエード」と「ヌバック」との特性を使い分けた“LEATHER”アッパー
続いて冒頭にも触れたLA SPORTIVAが言う「アッパー部分に関しては全く新しい靴」について、その特徴を見ていきましょう。足全体を覆うアッパーの主な素材は「LEATHER=革」ではあるのですが、今回〈TX GUIDE LEATHER〉の解説をするためには、もう1段階掘り下げて、「スエード」と「ヌバック」に分けて説明する必要があります。この2つの革の仕上げに関して双方の呼び名を聞いたことはあると思いますが、その違いが何であるかを説明できる人は少ないかもしれません。そこで、まずは「スエード」と「ヌバック」の違いに関して整理していきましょう。
「スエード(SUEDE)」と「ヌバック(NUBUCK)」に共通するのは、「起毛革(きもうかく)」と呼ばれる加工皮革であること。表面がサラサラしたツヤ消しの質感が特徴的ですが、横に並べてみるとその滑らかさで違いが分かります。いずれも革にバフがけ(ヤスリがけ)して毛羽立たせて作られるのですが、とても簡潔に言ってしまうと革の表・裏のどちら側を加工するかで、「スエード」なのか「ヌバック」なのかの分かれ道となります。
簡単にまとめると、上図のようになります。「スエード」は革の裏面(床面)を、「ヌバック」は革の表面(銀面)を加工して起毛させています。繊維の木目が細かい表側を加工する「ヌバック」の方が、仕上げるのに削る量が少なく、スエードに比べて革の厚みを残すことができるため必然的に剛性や耐久性も高くなります。野球のグローブに多く使われているのが「ヌバック」ですね。一方「スエード」は、裏面をきれいに起毛させるため表面に比べて多く削る必要があります。そのため「ヌバック」に比べて薄手の仕上がりとなり、強度は劣るものの、柔らかい仕上がりになります。
〈TX GUIDE LEATHER〉のアッパーは、その2種類の起毛革の特徴を適材適所にレイアウトして設計しています。上図では「ヌバック(NUBUCK)」を使用しているエリア(ピンク色)です。内側・外側の屈曲部分のランドラバーの役割を担っているのが分かります。ランドラバーを全周回してしまうと、歩行時の負荷(屈曲の抵抗にはなるので硬く感じる)になるため、それを「ヌバック」の耐久性を生かして代用しています。それに加えて、足の内側は甲からカカトまでシューレースホールを含み全体を覆うように「ヌバックが」使われています。
靴紐を締めることによって土踏まずのアーチ部分全体を引き上げサポートすることができ、長時間歩行時のパフォーマンスを維持する役割を担います。「ヌバック」の強度と足の形状に沿って変形するレザーの伸縮性を生かした設計です。〈TX GUIDE LEATHER〉は初めて足を通した時から心地よいフィット感を得られますが、この内側に大きく配置した「ヌバック」パーツの効果によるところが大きく、履けば履くほど自分の足のカタチになっていきフィット感が高まっていくのもレザーの特徴です。
続いて、「スエード(SUEDE)」を使用しているエリア(青色)を上図に示しました。「ヌバック」に比べて薄くしなやかな特徴を生かして歩行時に曲がる爪先側のアッパー部分全体、そして外側はそのままカカトまで「スエード」が使われています。
以前にこのブログでもご紹介した同じアプローチシューズのカテゴリーの〈TX5 LOW GTX®〉は、アッパー全体が「ヌバック」レザーで覆われ(※ライニングにGORE-TEX®が使われていることも違います)、ランドラバーも全周囲に巻かれているので耐久性と言う意味では相対的に高いと言えますが、足へのフィット感や歩行時の心地よさは履き比べた印象として〈TX GUIDE LEATHER〉に軍配が上がります。
この「スエード」をアッパーの外側全体に使用することによる効果は物理的な寸法でも見ることができます。上図は〈TX GUIDE〉〈TX GUIDE LEATHER〉に同じ体重をかけて履いた時の横幅の違い(〈TX GUIDE〉の横幅を(A)とした時の比較として)を示しています。〈TX GUIDE〉は原型に近い形状が保たれているのに対して、〈TX GUIDE LEATHER〉は前足部の足型を取って作ったかのような形状になり、歩行や登攀時の曲がりや体重のかかり具合により、しなやかに追従してくれるのが実感できます。
「靴紐を通す穴がスエードに空けられているように見えるけど強度的に大丈夫?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、シューレースホールの裏側は耐久性のある素材で補強の裏打ちがしてあるため、穴が引っ張られて伸びることなく使用することができますので、ご安心ください。
最後に、メンテナンスの話を。「ヌバック」や「スエード」を長く使っていくためには日々のお手入れも大切です。基本はブラッシング。埃や砂が起毛の間に入っているため、ブラシを使って汚れを落とします。ひどく汚れてしまった時は市販のスエード・ヌバック専用のクリーナーを使用して洗浄。あとは防水スプレーを使用して水汚れや泥汚れが付着しにくいように仕上げておけば大丈夫です。
“LEATHER”だけではない〈TX GUIDE〉との違い
アッパー素材の違いは前章で説明しましたが、それ以外にもイロイロとあります。まずは、製品サイズに関して。上図を見ていただければ一目瞭然ですが、ソール自体の物理的サイズが異なります。サイズ41で長手方向の長さは〈TX GUIDE LEATHER〉が5mm長く、それに応じて幅方向も2mmくらい広くなっています。これは〈TX GUIDE LEATHER〉が大きくなったのではなく、〈TX GUIDE〉がアッパー素材の薄さ含めて切り詰めてジャストフィットさせるためにタイトな設定で設計していたからです。
また全長だけではなく、爪先周辺から甲にかけての高さも異なります。シューズを履いた状態のシルエットを重ね合わせるとその違いが明確ですが、同じサイズで実際これだけの差があります。
爪先周辺に関しては、シューレースシステムのはじまる位置も異なります。並べて比較すると〈TX GUIDE LEATHER〉はより爪先の先端に近い位置からスタートしています。それにより、〈TX GUIDE〉に比べて爪先周辺まで細かくフィット感を調整することができるのですが、それ以上に効果として感じるのは通気性です。甲の面積に占めるタン部分(メッシュ)の露出する割合を大きくし、〈TX GUIDE〉のようにアッパー全体がメッシュ生地で構成されたシューズには劣ってしまうベンチレーション機能の代替を行っています。
シューレースのスタートが爪先に近くなることによって、登攀時の岩や歩行時のトレイル上の障害物に靴紐が直接触れ摩耗する確率も高まります。そのため下から3ホール目までのシューレースホールをレザーアッパーよりも下に通す設計にすることで、前足部のシューレースを保護しています。
また、その先端部分のシューレースは、クライミングシューズでも多く取り入れられているアシンメトリー(左右非対称)構成にしています。人の足の形状に合わせて、親指側に偏心していますが、こうすることによって足のカタチに沿いフィット感がより高まります。
主な変更点の最後になりますが、足入れ部の「タン(シューレースの下の甲に当たる部分)」の設計について触れておきましょう。〈TX GUIDE〉は一般的なタンの構成でしたが、〈TX GUIDE LEATHER〉は、「OVER-LAP TONGUE(オーバーラップ・タン)」と呼ばれている巻き込み型の仕様を採用しています。
内側(親指側)のタンは足入れ部までつながっていて、外側(小指側)は写真(2枚目)のように離れています。紐を締めるとそのタンは足首から甲にかけて巻き込むように面でフィットするので、カカトの納まりも含めた足入れ部の高いホールド感を得られます。
前章で記載したアーチを支える「ヌバック」面とともに、このシューズを履いた時に感じる心地よさはこの「オーバーラップ・タン」によるサポートが大きく寄与しています。ただし、いずれもシューレースをしっかり締め込むことで機能する仕組みなので、甲の部分から弛み無きよう面倒くさがらずに気持ちを込めてしっかりと靴紐を締めていきましょう。
おわりに
ここまで〈TX GUIDE LEATHER〉のご紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。冒頭で記載した「アッパー部分に関しては全く新しい靴」という意味がこのブログを通じて伝われば何よりです。フィット感に関してはここまでの解説にもありますように、レザー素材のフレキシビリティが高いので、これまでのシューズ以上に多くの方にフィットするはずです。履いているうちに、そのシューズの良さが分かってくるモデルもありますが、この〈TX GUIDE LEATHER〉は足を通して踏み出した瞬間に・・場合によってはその前の靴紐を締めている段階で「この靴、イイかも!」と思って頂けると思います。既に店頭の方でも販売されていますので、気になる方は是非足を通してみてください。
あとは「Vibram® IDROGRIP」のコンパウンドをまだ感じたことがない方は、是非このシューズを履いてその実力を味わって頂ければと思います。Vibram®のグリップ系のイイとこ取りをした「ダブルコンパウンドソール」は、晴れていても湿った場所が多い日本の山でも活躍する場面が多いかと思います。〈TX GUIDE〉を履きはじめて1年近く経ち、ソールの角もだいぶ丸まってきましたが、最近では山でマウンテンバイクを乗る際のシューズとしても活躍しています。マウンテンバイクに乗って登れない急坂や岩場などは、自転車を押したり場面によっては担いだりするのですが、そのような場面でも「Vibram® IDROGRIP」の実力が発揮されます。
最後に〈TX GUIDE LEATHER〉のソールのフレックス(硬さ)について、少し触れておきます。これまでと同じ条件(爪先から約5cmブロックにのせる)でテストしてみましたが、クライミングへの対応も視野に入れて開発されているだけあり、前足部のプレート(シャンク)はそこそこの硬さがあります。歩くことにフォーカスを置いて作られている〈TX 5 GTX®〉や前回ご紹介した〈ULTRA RAPTOR Ⅱ Mid GTX〉などは「グニャッ」となるのに対して、〈TX GUIDE LEATHER〉は「パシッ」と止まってくれる感じがあります。
アプローチシューズの多様化が進み、TXシリーズの中だけでも様々な特性を持ったシューズが存在するようになりましたが、〈TX GUIDE LEATHER〉はその中でもハイキングや登山、もちろんクライミングのためのアプローチやアウトドアスポーツ全般でもストレスなく履けるオールラウンド系かと思います。元々は山岳フィールドで仕事をするエキスパートが業務で必要とする機能や快適性を盛り込んで作ったシューズですので、足りていない要素はありません。
防水仕様ではないので、そこだけは留意する必要はありますが、日本の夏山でオールラウンドに使えるローカットシューズを探している方は、是非候補の一つに入れて検討してみてください。見た目のデザインにも拘ったということで、機能美も感じながら愛着の持てる一足になるかと思います。
この〈TX GUIDE LEATHER〉を履き始めてから40kmほど走ったり歩いたりしましたが、レザーのアッパーはやはり足に吸い付くように馴染み、自分の足の形にフィットしてくれます。またシューレースが細かく調整できるので、ソックスの厚みが変わったり長時間歩いていて足が浮腫んできたりした時に足先だけ緩めたりなど、細かく調整できるのが特にアドバンテージが高いポイントです。
先日、「みちのく潮風トレイル」の岩手県パートのトレイルをこの〈TX GUIDE LEATHER〉を履いて歩く機会がありました。沢を歩くエリアもあるのですが、濡れた路面でもアウトソールを信頼して歩くことができます。特にくだり坂でのグリップが良いと感じていただけるかと思います。今年はゆっくりとロングトレイルを歩いてみたいなという方も是非〈TX GUIDE LEATHER〉を候補に入れてみてください。
[ 次回予告 ]
次回のFOR OUR MOUNTAIN vol.10は、〈AEQUILIBRIUM ST GTX®(エクイリビウム ST GTX®)〉。LA SPORTIVAのマウンテンブーツに新カテゴリー”エクイリビウムシリーズ”が登場します。これまでのシリーズには無い機能を盛り込んだ2021シーズンの新製品です。展示会でサンプルを見て以来、製品版になるのを楽しみに待っていましたが、そろそろ発売のようでたのしみに待っています。